帳簿作成のコツ

帳簿作成には、手間やコストを省く、正確性を保つなどの観点で、色々なコツがあります。このコーナーでは、そのコツについて、どうしてそうした方が良いのかという理由と、効果を最大化する具体的な実行方法をお伝えします。

一連の取引の記帳

よくある間違いに、次のようなものがあります。
1. 銀行口座から引き出した現金の、その先の動きを帳簿につけていない。また、銀行口座に預けた現金の、その前の動きを帳簿につけていない。
2. 誰かが立て替えて支払った経費を、現金で支払ったとして帳簿につけている。
3. 会計上の複数の取引をひとまとめにして帳簿につけている。

会計帳簿の仕組みは、一つ一つの仕訳によって、2箇所以上の科目の残高が動くように作られています。
例えば、4月30日に普通預金の口座から現金1万円を引き出した仕訳は次のようになります。左が借方、右が貸方です。
4/30 現金 10,000円 普通預金 10,000円
これにより、現金の残高が1万円増えて、普通預金の残高が1万円減ります。

そして、同じ日にその現金1万円を今夜の会食のために社長に渡したら、その仕訳は次のようになります。
4/30 仮払金 10,000円 現金 10,000円

そして、翌日、社長が領収証とお釣り2千円を会社の経理に渡すと、その仕訳は次のようになります。
5/1 現金 2,000円  仮払金10,000円
    会議費 8,000円

中間の処理を省略して、次のようにつけたらどうなるでしょうか。
4/30 会議費 8,000円 普通預金 10,000円
     現金 2,000円

一見あっているように思えますが、細かいところでズレが出てきます。月をまたいでいるので、月末の現金残高が実態と合いません。また、交際費が5月ではなく4月の費用になってしまいます。
そんな細かいところ、と思うかもしれませんね。あるいは、月をまたいでいなければ良いのでしょうか。

経理の担当者が、一々、これは結果が同じになるからまとめても大丈夫だ、という判断をしながら帳簿をつけている、というのもよく見られます。結果オーライという考え方もありますが、あまりお勧めしません。

なぜかというと、「予定」や「気持ち」という、本来帳簿につけない要素が入り込んでいるからです。
1. 明日になったら社長が領収書とお釣りを経理に返してくれる予定だから、それから帳簿につければ良い
2. 預金からお金を下ろしたのは、社長に会食の費用を渡すためだから、ひとまとめにして入力すれば良い

帳簿は、起こった事実をその通りに記録するものです。「予定」や「気持ち」を記録してはいけません。
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